不幸な愛、惨めな愛

on 12月 8, 2016 in Diary

1. 愛についてのおさらい

 

特にこの「愛について」をあえて取り上げようと思ったのは、私の弟子が読むかもしれないと思ったからだ。私の弟子には、恐らくこの「愛について」の話題は役に立つ。

私は弟子を愛している。弟子は少し遠い所に居て、連絡は取れるけども聞かない。最後に会った日に本人が言っていた通り、頑張る道を選んだ。苦労を買うことにした。頑張りすぎて壊れないように、私を修復マシーンとして使うべきタイミングを教えておいた。まあ連絡が無いうちは頑張れている証拠だろうと思っている。

 

ここでおさらいです。愛するということは何か。

私は「弟子が自力で頑張りたがる性格」なのを知っている。だから「安易に声をかけて、弟子が自分で試行錯誤するチャンスを潰さない」という配慮をしている。でも「こういう事があったら私の知恵を貰いにきなさい」と責任を示した。私は弟子を深く愛している。

 

もっと平たく言おうか。私は、弟子が幸せになることを望んでいる。弟子の幸せな生活に私は一切登場しないけど、それでいい。ファンタジーで、街から遠く離れた場所に住む魔法使いのおばあちゃん的なポジションが、私にとって一番いい。

でも弟子が不幸せで困った時に備えて、弟子の助けになる素材をこういう所に置いておく。読むかどうかは知らないし、読んでほしいわけじゃない。知りたくなったら読んでみたら?置いておくね!っていうこと。押し付けない愛っていうのはその程度。私をうまく活用してほしいものです。賢い子だから、きっと大丈夫。

 

 

2. 不幸な愛もあるの

 

さて、前回はフロムの話ばかりして、ジンメルの事を少し放置していた。少しジンメルの言った事について、私も考えよう。愛するということは技術だと、前回はお話した。フロムは前向きです。

でもジンメルは客観的に周囲を見て、愛することが出来る人とそうでない人の違いを語る。フロムとそこが違うのは、社会学者だからだろうね。人間観察といえば社会学です。愛せる人は、パートナーを愛することを通じて、世界全体を愛することができると言う。「妻は苦手だけど愛人は好き」みたいな比較をしない。妻も愛人も愛してるわけだ。

 

古典でも多くの恋愛風景があって、例えば男が愛人の寝屋から出て、妻子のいる家に帰って行くときの辛い気持ちなんかがよくある。それを読むとき、我々は「不幸な恋愛」だと感じることがある。

ジンメル曰く「片思いでも幸福な愛があるし、両想いでも惨めな愛もある」のだ。愛自体は行為だから、それだけでは幸せでも不幸でもない。でも条件によっては不幸になってしまう。現代語訳的にてきとーにまた抜粋しましょう。

愛が不幸になっちゃうこともあるのよ。愛される価値がない人を愛してるときなんか、不幸だよね。もっと言っちゃうとさ、「愛情の底に、遠慮とか嫌悪があるとき」なんて本当に不幸な愛だよ。

あとね、

「私は愛してるけど、貴方はご自由にどーぞ!」っていうのは愛じゃない。それは遠慮とか諦め入ってるじゃん。ひたすら愛する、本当の愛ってのは、断念する必要ないんだよ。諦めはいるような愛は違うわ。

ってことをジンメルは書いてる。

 

私は身内から知り合いまで、みんなを愛している。でもたまに、この人は愛する価値があるのかと考える機会もある。それは愛情の底に「あーこの人残念だなー」みたいな気持ちが少しあるかもしれない。それは不幸な愛。でもそんな人でも、私は愛することを止められないんだと思う。

 

愛するに値するかどうかってことは関係ない。ただ、全てを、愛する。それが哲学の語る愛なんです。私は恋愛は好きではないけど、哲学的にみんなを愛している。それは幸せなことでもあり、ときたま不幸な愛でもある。不幸な愛を感じるとき、ちょっとしょんぼりしちゃうけど、まあ全体に比べたら些細な事だし、「こんな人は愛せないわ」なんて止めることは出来ないから、しょうがない。世界を愛するってそういうことかもしれない。私が優しいのなら、それは世界中の誰にでも優しい。愛だから。

 

ちょっと今回はもやっとする感じで終わってしまうね。

次回こそショーペンハウエルの幸福論に進みます。

 

あと心理学のお題、何か聞きたいことがあったら遠慮なくコメントで教えてください。恥ずかしいなら匿名でもいいから、私に話題を提供してください。あ、メールアドレス入れる欄がありますが、見てないので(スパム対策なだけ)特定しません。適当入れて大丈夫ですよー。

One Comment

  1. わー!次回は幸福論!
    もりおかマン4~5回くらい読んだけどいまいち理解の追いつかない部分があるw
    サイちゃんのわかりやすい解説待ってるます!

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